第3日 千葉経大付5−4中京 中京初戦で惜敗 ▽1回戦=第1試合 中京(岐阜) 010201000―4 01200101x―5 千葉経大付(千葉) 本塁打大島(千) ○…千葉経大付は4−4の八回無死一塁から大島の二塁打で勝ち越した。大島は、二回に本塁打を放っており、4安打3打点と振りの鋭さが目立った。先発した丸は、9安打4失点で完投した。 中京は先発の川口に代わり、左打者が続く八回に左腕の小亦を送ったが、制球が悪く継投が裏目に出た。攻撃は九回一死一、二塁の同点機を生かせなかった。 甲子園ノート エース川口 高揚が緊張に 初めて着けた背番号1が甲子園では重かった。中京の先発川口は大舞台の雰囲気にのみ込まれた。 「五回以降はどんな球を投げたか良く覚えていない」。完全に舞い上がっていた。味方打線が4−3と勝ち越してくれた直後の六回二死二、三塁からボークで同点に。「二死三塁と思って振りかぶろうとして、他にも走者がいると気づいてセットポジションに直してしまった」。直前に一塁走者が二盗していたにもかかわらず、頭に残っていなかった。 雨で一日順延となった試合。前日は「気持ちが高ぶっていた時に中止を聞いて、周りに当たってしまった」。高揚感はグラウンドに入って緊張感になり、抑え込むという過剰な意識に変わった。 「ストレートが高めに浮いた」と制球が定まらず、先制した直後の二回、相手の主砲大島に同点弾を浴びた。「スイングが速い。抑えなきゃ」と思えば思うほど力みが生じ大島には3安打を許した。六回も無死から丸と大島の主軸2人を出塁させたのが同点の引き金。試合の流れを最後まで引き寄せられなかった。 八回、代わった小亦が勝ち越し打を許したのをベンチから見つめた。昨秋の東海大会で好投し、その小亦からエースの座を奪った川口。だが、夢の舞台は苦い舞台に。「甲子園の雰囲気は貴重な体験だった」と遠くを見ながらつぶやいた。(田中一正)