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あした道
200952月13日更新
小川正行さん(61)多治見市
定年後、切り花農家へ “大輪”目指し土で起業

可児市塩の県国際園芸アカデミー上級マイスター科を今春卒業し、四月から地産地消を掲げた切り花農家として独立、第二の人生の「大輪」を追い求める。 
 コンピューター関連の販売会社を定年退職後、あこがれだった土にかかわる仕事に必要な技能を身に付けようと一昨年、アカデミーの門をたたいた。履修期間二年の前期課程生産コース生産分野を専攻する。

 今井田一夫、前田宝秀両講師の指導のもと、一年半の実習を通じて環境に優しく効率的な草花栽培を体系的に学んだ。複数品種を試験栽培し、需要調査も行った。

 これと並行し、多治見市と御嵩町に計約三千平方メートルの土地を確保。トルコギキョウ、ヒマワリ、ハボタンなど時期の需要に応える品目を温室で育て、可児市などの直売所に出荷する。資金には退職金と貯金を充てる。

 花と緑にかかわるプロを育成する専修学校として二〇〇四年に開学した同アカデミー出身者で農業の起業は初めて。アカデミーで学ぶ社会人経験者の中でも目的意識は高かったといい、今井田講師は「東濃・可茂地区は切り花の生産者が少なく狙い目。土作りに多少時間がかかるだろうが、心配はしていない。できる限りバックアップしたい」と話す。

 「将来は野菜づくりにも挑戦したい」と意欲十分。「会社勤めと違い、自己責任で収入を得る楽しみがある。年を取っても働き続けられればうれしい」と笑顔を見せた。(小川邦夫)

この記事は「中日新聞多治見支局」のご協力を得て掲載しています
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